OS2/Qt4/インストール(手動)

OS2/Qt4/インストール(手動)

以下のようなことがしたい人むけの説明:

  • 旧版を完全にアップグレードする前にちょっと試したい
  • 複数のバージョンを使い分けたい
  • 野良ビルド環境のテスト

まあ、要は WarpIN のインストールパッケージを手動で展開して qt.conf 設定→LIBPATH に追加、ぐらいの話ですが…。

前提要件

wpi パッケージファイルの展開には WarpIN が必要なので、あらかじめインストールしておく。

Qt4 ランタイムを使うには、libc063 と gcc 関係のランタイムが必要なので適当にインストールしておく→OS2/Qt4/インストール(WarpIN)

WPI の手動展開

WarpIN のインストールされたディレクトリにあるコマンドラインツール(wic.exe)で wpi アーカイブを操作できる。

たとえば D:\WarpIN に WarpIN がインストールされていて、\D:\qt-lib-4_6_3.wpi の中味を D:\qt463 に展開したい場合はこんな感じ:

[D:\] md qt463
[D:\] cd qt463
[D:\qt463] D:\WarpIN\runwic -x D:\qt-lib-4_6_3.wpi

実際の展開作業をおこなうのは wic.exe だが、これは WarpIN のランタイム DLL (WPIRTL.DLL) を要求するので、wic.exe をじかに実行する場合は WarpIN のディレクトリに LIBPATH を通す必要がある。 WarpIN のインストールディレクトリに入ってる runwic.cmd を使えば、その辺の事前設定が不要になる。

ちなみに小文字の -x じゃなくて大文字の -X オプションを指定するとインストール用の設定スクリプトが展開できる。

ファイルの移動 と qt.conf の設定

ランタイムを展開したディレクトリに設定ファイル qt.conf を作成し、Prefix を設定する。

[Paths]
Prefix=.

ただし、これだけだとプラグインが認識されない(たとえばjpegやgif画像の表示ができない)。それから言語ファイルもたぶん認識されない。 ということでもうすこし作業が必要になる。 対処法は2通り:

  1. 言語ファイル(拡張子 .qm)をサブディレクトリ translations に移動、さらにプラグインの入っているサブディレクトリ(Qt4.6.3 の場合、accessible, codecs, graphicsystems, iconengines, imageformats, sqldrivers)を、ぜんぶ plugins の下に移動
  2. qt.conf を編集し、Plugins と Translations のベースディレクトリを設定

方法 2.の場合、qt.conf はこんな感じでしょうかね…

[Paths]
Prefix=.
Plugins=.
Translations=.

qt.conf の詳細については Qt 本家のマニュアルを参照。

複数のバージョンを使い分けたい時は、%ETC%\qtsys.conf の内容を確認しておくこと。 ちなみに手動で wpi を展開すると util ディレクトリの下に UpdateQtSysConf.cmd というのができる。

環境変数などの設定

あとは LIBPATH(複数バージョンを使い分けたい場合はそのつど BEGINLIBPATH で)と HOME を設定すればひとまず使える。